No.3

(1)  朝方電話があり、近所のコンビニからでした。 旦那が昨日夜中にコンビニに来てそのとき財布を落としていったから取りに来て欲しいという連絡でした。 そう言えば朝財布が見つからないと言って、あちこち探していたのを思い出しました。 私がどこかにかたづけたと決めつけられ、勝手にかたづけるなと怒鳴られました。 自分で落としたくせにと思いながらコンビニに財布を取りに行きました。 財布を受け取って家に戻ると、一応中身を確かめようとクレジットカードを一枚づつだして調べました。 一枚だけ見慣れないカードを見つけました。 どうせレンタルビデオ屋のカードだと思って、気にもしてませんでしたが捨てる訳にもいかないので、旦那の部屋のパソコンの前にでも置いておこうと思いました。 しかし、部屋に入ってパソコンの前に置いてよくよく見ると、どうも怪しい会員証に見えました。 電話番号が書いてあったので、さっそく電話して見ると、受付の女性の声が聞こえました。 「あのどうゆう店なんですか」と何も考えもしないで聞いてみると、「あ、内はお客さんの身元みんな確かめてますから、だいじょぶですよ」 「普通の人妻の方でも安心してご入会できますから」と返事がきました。 どうやら、人妻も入会するクラブというのでこれはどう考えても怪しいとぴんと来ました。 「あの、私でも入会できますか」と聞いてみると、「あ、会員の方の紹介がないとだめなんですが、あと身元がわかる運転免許証とかも必要です」と明るい声の返事がきました。 私は「じゃ、これから行きますから」と言って電話を切りました。 免許を取ってから一度も車に乗っていない、免許証も役に立つことがあるんだと思い、免許証を引き出しの奧から探すと、教えられた場所に行くことにしました。 池袋の裏手にはいると、小さい路地の奧にマンションがありその裏に小さなビルがありました。 「さっき電話したんですが、それでどんな風になってるんですか」とさりげなく聞いてみると、 「うちはインターネットのSMクラブなんです、SMの方専用で、いわゆる調教プレーですね、条件の合った相手を紹介しますので、あとはインターネットの電子メールで交際していただいてます。」 と慣れた様子で説明をしてくれました。 最近旦那がインターネットに夢中になって、それも私にパソコンを触らせないのはこのためだとようやく気が付いて私ははらわたが煮えくりかえってきました。 どんなことをしてるのか証拠をつかもうと私も会員になることにしました。 「会員の紹介がないと、だめなんですが、誰のご紹介ですか」と聞かれて、私は旦那の会員証を見せました。 すると、デジカメで顔写真を撮ってそのままプリンターで会員証を作ってくれました。 女性は無料だというので、お金もかからずほっとしました。 インターネットでは、自分のプロフィールを公開して、あとは希望する相手の条件を書くようにといろいろ教えてくれました。 私は、「また今度来ます」と言って店をでました。 家に戻ると旦那のパソコンを動かしてみました。 しかし、旦那も馬鹿ではないらしくて、旦那のデータはパスワードがないと見れないように仕掛けがしてありました。 私は自分のデータもこっそりとパスワードで隠すように設定し直すと、自分のプロフィールを適当に書いてアップロードしました、そして希望する条件に旦那の年収から職業趣味までぴったり同じに書きました。 電子メールはすぐに驚くほどたくさん来ました。 私はいったい旦那がインターネットで何をしているのか確かめようと思って適当な相手を数人選んでメールの返事を書きました。 数日たって、メールの相手の一人からボイスチャットで話しがしたいとメールがきました。 私はボイスチャットを旦那が使っているに違いないと思い、ボイスチャットでなにをしているのか確かめようと自分でもやってみることにしました。 旦那が夜勤で居ない夜に、私はボイスチャットで待ち合わせの約束をしました。 ヘッドホンマイクを付けて待っていると、チャットに男のメッセージが入り、すぐに男の声が聞こえてきました。 しばらく世間話しが続くと、「どう最近旦那とは」と聞かれました。 「最近どうあっちのほうは、」と言われて、いよいよエッチな話しが始まると分かりました。 「一人でさみしいんじゃないの、さみしいときどうしてるの、」と聞かれて私は「さみしいときですか、いろいろすることありますよね」 「そうだね、テレビでも見るのかな、それともカラオケでもする、それとも一人でお酒を飲むの、まだすることあるよね、どう今してみない」と言われました。 私はようやく旦那がボイスチャットで毎晩何をしているのか気が付きました。 もう止めてボイスチャットを切った方がいいと思いましたが、もうやめられませんでした。 「さあ、胸を自分で揉んでご覧、ゆっくりと指先を動かすんだ」と言われて、私は自分の胸を触りました。 「じゃあ、もう一方の手はあそこを撫でてもらおうか、一番感じる所を触るんだ」と言われてもう一方の手を花芯の上にあてがいました。 私はもうなにがなんだか分からなくなって、自分で指を使い始めました。 自分の喘ぐ声がヘッドホンから聞こえてくるともう自分でもなにをしているのか分からなくなりました。 「このドスケベ女、こんな変態はじめてだぜ」と男に言われて私の身体は一気に熱くなりもう止まらなくなりました。 「今すぐパンツを脱ぐんだ」と命令されて、私は椅子から立つと下着を脱ぎました。 「いいか、これから近くのコンビニに行くんだ、そしてエッチな本立ち読みするんだ、本を選ぶときは前屈みになるんだ、分かってるな、後ろから丸見えだ、」そう言われて私は身体が震えてきました。 私の身体はもう花園の奥の奧から熱くなってもうなにを言われても逆らえなくなっていました。 パソコンを付けたまま私はドアを開けて、言われた通りに近くのコンビニに行きました。 コンビニの自動ドアが開いて、「いらっしゃいませ」と店員に声をかけられるとまた膝から腰が震えだしました。 レジの前を通って奧の雑誌売り場に行きました。 ちょっとエッチな女性向けのコミック雑誌がおいてあるのが目に入りました。 私は前屈みになって、コミックを一冊とると手元で広げました。 何が書いてあるのかを読んでいる余裕はありませんでした。 後ろを誰か男の子が通る足音が聞こえると私の膝がまたがくがく震えてきました。 何度も前屈みになって、雑誌を手に取ると適当にページをめくっては元に戻しました。 帰ろうとすると、携帯の呼び出し音が鳴りました。 送りつけられてきた写真は、スカートの下から撮った写真でした。 なんでこんな写真を送ってきたのだろうと思ってよくよく見ると、その次に私がコミックを立ち読みしている写真が続いて送られてきました。 さっきから誰かが私の写真を携帯で撮っているんだ、さっきのビデオチャットの相手がこの店に居るんだと分かって私はもうとても立っていられないくらいに身体が震えはじめました。 携帯には、「店を出て駐車場にある黒い車に乗れ」とメッセージが入ってきました。 私は指が震えてとても返事のメールを出すことはできませんでした。 店を出ると、すぐに黒い車が止まっていました。 私は震える足で、車の横までゆっくりと歩きました。 サングラスをかけた男が車の助手席のドアを開けました。 もう逆らえない、私はこの車に乗るしかほかにないと思い私は助手席に乗り込みました。 車が動き出すと「ちょっとあなた、内の旦那と浮気してるでしょう」といきなり女性の甲高い声が私の耳に響いてきました。 「証拠はちゃんとあるのよ」と言われて私は訳が分からなくなりました。 「さっきチャットに出たのは私よ、ボイスチェンジャーを使って男の声だしてたの」 「コンビニで写真撮ったのも私よ、いつもは内の旦那が撮ってるらしいけどね」 「あんたでしょう、インターネットの投稿ホームページに写真載せてるの」 「旦那が写真とっては投稿してるの私はちゃんと知ってるんですからね」 「もう二度と旦那とはつき合わないようにしてもらいますからね」 そう言い終わると車はラブホテルに入って行きました。 部屋に手を捕まれて引っ張り込まれると、部屋の中には数人の人相の悪い男達が待ち構えていました。 「たっぷり可愛がってあげてね、女の喜びを教えてあげて」と言って笑うと女は部屋からでていきました。 欲望の嵐が私をなぎ倒し、強い風が私の体を突き刺すように吹き付けてきました。 時間が止まったまま、征服の杭が私の体をもてあそび続けました。 満足する間もなくすぐに次の杭が私に打ち込まれ、また今度も激しい律動が私の体を突き抜けました。 いつ終わるのかわからない儀式は、私にとっては永遠の時のように思えました。

(完)

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